タイツ姿
表題は「ピーターパンとロビンフッドの違い」です。そもそもロビンフッドとピーターパンは言ってみればかなり似たような格好をしていますから、その点でも混同しやすいのかもしれません。
おそらく舞台設定は10世紀頃ということになると思いますが、独特なのはタイツを履いた姿でしょう。
ロビンフッドの映画を見るとわかると思いますが、タイツを履いた人が大勢登場し、ロビンフッド自身もタイツ姿ですね。これがちょうどピーターパンと同じに見える要因でしょう。
しかし、実際にはタイツを履くことができたのは王侯貴族のみです。タイツはホーズといいます。もともとはタイツ仕様ではなく左右別の長い靴下であり、それを服のすそに紐で結び付けている状態だったそうです。
西洋の男性の美の表現部分の一つとして「ふくらはぎ」の美しさがありました。現代の女性が脚のラインを美しく見せるようにしていますが、19世紀まではそれは男性がしていたのです。女性は長いスカートで足は隠していました。
中世においては、タイツの素材は絹であり、当然ながら非常に高価なので、タイツを履くということは、権力者の象徴を示すということでもありました。一般庶民には絹は無理ですから、それを真似て布で作った一種のスリムなズボンのようなものをタイツ風に履くことで流行したようです。
ハリウッドの映画ではそれが中世の衣装ということを表現する一種の記号になっていたのでしょう。